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February 22 開けっ放しにできるワケ某地方都市のテレビ局にて。 在京TV局をキー局にしたネットワークが確立された今となっては、地方のテレビ番組もぱっと見の地域格差がなくなりつつあるようですが、じっくりと中身を見てみると、たまの訪問者には目からうろこの情報がぎっしり詰まっています。 方言が飛び交う現場と最新の機材たちのミスマッチに不思議な感覚を抱きつつ、なんともいえない異次元空間に身をゆだねたのでした。 さてこのTV局ですが、とある県庁所在都市にある、地元の人々からで親しまれているテレビ局の一つ。テレビ局といえば、セキュリティーが厳しく、時間にタイトというイメージがあるんですが、少なくともココに限ってはそんな常識は通用しません。 受付の方に用件を告げてしばらくすると、インカムを付けたプロデューサーがいらっしゃいました。 『それじゃコチラへ…』という声につられて、さあいよいよTV局の迷路に迷い込むんだ…と期待したのも束の間。その受付のすぐ後ろにある、開け放たれたドアの向こうに立派なスタジオがあるじゃないですか。建物のドアから歩いて10数秒の距離です。 そのスタジオではまさに生放送の最中でした。 『あのぉ…本日出演の●●さんが、まだいらっしゃってません…テレビをごらんになってたら急いでお越しください』と問いかけるアナウンサー(本番中です)… そして10分後、それに応えてやってくる地元のおばさん(出演者です)… こんな長閑な時間の感覚を、地域の人々が共有しているのです。 正直、大きなカルチャーショックを受けました。 少なくとも私が思い描くセキュリティーという概念は、事実上存在しません。 開け放たれたスタジオのドアは、リハーサルから本番放送終了まで、一度も閉められることはありませんでした。 なぜこんなことが可能なのか… 一つだけいえることは、そこから発信する立場の人も、そこに出演する立場の人も、全ての人々が自らの『ミッション』を自覚し、共有しているということ。 アナウンサーも『本日は放送内容の一部を変更して・・・』などとは言わずに呼びかけます。 『はやくスタジオに来てよ』と。 それに応えるべく汗をかきながら出演者が駆けつけます。 『ゴメンね遅くなって』と。 視聴者は、夜の食卓の話題にします。 『今日ね、テレビに遅刻した人がいてね・・・』 そんな感じで、地域の人々全てがこのテレビ局の事を大切にしている様子がひしひしと伝わってきます。 だからこそ、テレビという自らの大切な社会基盤を破壊するリスクを孕んでいることを、全員が無意識のうちに理解している。そして、その維持に努めているからこそ、ドアが開けっ放しでも問題が起こらないのたと。 地域というコミュニティーで、長い時間をかけて確立された『信頼』というものがあればこそ叶う『開放感』なのではないかと思えてしまうのです。大都市東京では望むべくもない、一つの理想を見た気がしました 。 ハンドルを握る、彼女の笑顔座席が殆ど埋まり、座っている人と同じくらいの人数がつり革につかまっている車内は、まだラッシュアワーの気配。
外の景色を眺めているうちに、電車は駅に滑り込みました。 面白いもので、電車が止まる瞬間というのは、大概の人が進行方向の反対側に重心を動かし、慣性の法則によって『まだ進みたい!』という自分の体にブレーキをかけています。 あんな動きを、こともなげにこなしてしまうのが人間の体。 素晴らしい能力です。 私もそんな感じで、おそらく無意識に、足に力を込めて、来るべき最後の『衝撃』に備えていたはずなんです。しかし・・・ あと少しで電車が止まる、というときに、予想に反して体が傾き 、『あれっ?』と思うまもなく、進行方向にに投げ出されてしまったのです。 いわゆる『急ブレーキ』という奴です。 決してボーっとしてたわけではないのです。 当然ですが、乗り合わせた周囲の人々も同じように体があっちにむいたり、こっちに向いたり。 つり革にぶら下がるように体勢を立て直している人もいます。 『なにやってるんだよ・・・』 と、ガラス越しに運転席を覗き込むと、そこに居たのは可愛らしい女性の運転手さん。最近増えましたね。 『やっちゃったよ・・・』 という悲壮感が読み取れる彼女の横には、いわゆる昔ながらの『鉄道マン』が。 おそらく、ベテランの運転手さんでしょうか。 制帽の隙間から見える髪の毛はすっかり銀色。 動揺する彼女は、おそらく『現役デビュー直後』なんでしょう。 銀髪のベテランさんはとても冷静に、アドバイスしています。 何事も無かったかのように、電車は次の駅に向けて走り出しました。 その間も、銀髪のベテランさんは、緊張の面持ち彼女にアドバイスを続けています。 次の駅のホームが見えてきました。 『今度は、ちゃんと止まれるんだろうか…』 真剣に前方を見つめる彼女。 20メートル 10メートル 5メートル 1メートル… ふわっと何事も無く止まる電車。 軽快な電子音とともに、ドアが開きました。 その様子に満足したのか、大きく二回頷いた銀髪のベテランさん。 笑顔でハンドルを握る運転手の彼女は、今度は胸を張って、発車の合図を待っていました。 電車の運転手さんも 、こうやって一歩一歩成長する・・・ 人生ドラマの一シーンに触れた私は、 とても穏やかな気分で車内のひとときを過ごす事が出来ました。 春が過ぎ、夏になろうとする今頃の季節は、あらゆる分野で『新人』たちの活動が始まる季節でもあります。ピー・ワーク総研でも、10名の新卒採用者を筆頭に、新しい仲間たちが不慣れな分野で活躍を始めました。 彼らの行動一つひとつに、まるで母親のような視線を送る社員も居れば、堪え切れずに声を高ぶらせてしまう社員も居ます。そんな彼らも、夏が過ぎて、秋が来て、春が訪れる頃には、次の新しい仲間を受容れる立場として活躍することになるのです。 さて、急ブレーキの彼女が、後輩の横に座って、電車の運転を指導するのはいったいいつの事になるのでしょうか。そんな瞬間が訪れる事を願いつつ、世界中の『新人』たちにエールを送りたいと思います。 三つ子の魂が育てた『プロ』のお話人生ほど先の読めないものはありません。 一時は最前線で活躍していた実力者が、時の流れと共に没落したのち、 不死鳥のようによみがえる・・・ まるで、映画のようなストーリーに触れることがあるかと思えば、 いつまでたってもうだつの上がらず、『青い鳥』を探し続ける夢追い人もいる・・・ 結局、どちらも本人が納得していればいいんですがね。 さて、京都でライブハウスを経営する大親友の話です。 ![]() 彼はその昔、ニューヨークまで武者修行に出かけるほど音楽に情熱をかたむけた青春時代をすごしたといいます。 『三つ子の魂百まで』ではありませんが、現在の仕事(デザイン事務所の経営)に就いた後も、彼は何らかの形で音楽に携わり続けたい、という思いを持ち続けていました。 そして誕生したのが『MOJO WEST』というライブハウス。 今では、全国からトップミュージシャンが訪れる場所として、音楽を愛する人々に名が通ったライブハウスへと発展を果たしました。その盛況振りから彼がこのお店に対して注ぎ込んだ『本気』の大きさを感じることが出来ます。 趣味でやってるから・・・という言葉を、良く耳にします。 しかし、そんな言葉で謙遜する人々が、下手にプロを語る人々よりも、はるかにプロフェッショナルな領域で活躍している、といったことも珍しくは無い話。 要は本気の度合いが、その後の歩む道を決めているんだと思っています。 人が発するオーラも立派な『気配』のひとつ。熱い想いがこもったオーラは、そのまま相手の心を動かしてしまいます。案外、言葉はそんなに必要ないかもしれませんね。 MOJO WESTの成り立ちも、まさにこのプロセス抜きでは語ることすら出来ないでしょう。 オーナーが抱き続けた夢、 それを実現させようとするプラン、 そして共感したアーティストを始めとする周囲の人々。 彼は、ただ単に夢をかなえるだけけでなく、自他共に認める、プロフェッショナルな『ライブハウスの経営者』になってしまいました。 自分の経営するお店に、一流のミュージシャンを呼びたい。 だから、自分もプロのライブハウス経営者にならなくてはいけない・・・ そんなプレッシャーが、彼を高みに押し上げたのかもしれません。 想いが人を動かし、そして、動いた人が大きく変わる、 人と人の関わり方でこれほど最高のものはありません。 因みに・・・ 彼はその後、ライブハウスの経営で、さまざまな人々に影響を与え、 最前線で活躍する実力者への復活をサポートすることになります。 その話はまた後日。 |
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